モビールブログ · 2月 8, 2012

水鳥の宿

宿の縁側に、水鳥のモビールが揺れていました。 部屋に案内され、お茶を頂いて浴衣に着換え 入浴前のひと時を籐椅子に身を委ねて、眼下に暮れなづむ渓流を 眺めながら、息子夫婦にプレゼントされた結婚30周年の記念旅行を

かみしめていました。

言い始めれば、どんな夫婦にも言うべき色々な過去があるのでしょうが 私達のそれは格段にドラマチックで、平均的な夫婦のそれよりも

格段に数が多かったような気がします。

今では穏やかな地域のご意見番として、若い人達にも 受け入れられている私の相棒と、外では優しい女房で通っていた 実は知る人ぞ知る意地っ張り女の私と、言葉少なに向き合いながら 揺れる水鳥の静けさを感じていました。 つるべ落としに外は暮れ、部屋の明かりに浮き上がる

水鳥の白さを感じていました。