ブラック・ゴールド・ホワイト グラスに隠れて一隅を占める
小さな繭の飾り物
ミューシャのステンドグラスに朝陽が光り アンティークドールが寄りかかるビクトリア朝の飾り棚を 水面にゆらめく太陽の反射光が行き来して 夜になればガレのシャンデリアが照らす ウィスキーボトルの古びたラベルには
ブラック・ゴールド・ホワイトがよく似合う
小倉山の麓に朽ちかけた店の 朽ちかけた思い出のセピア色 深い黒漆の台に金線が走り 逆光に毛羽立つ白梟が
シルエットを揺らして浮いている
私だけの小さな時空につながるワームホールの向こうには “BGMとちゃうデ、BGWやデ!” と得意気だった
ギョロ目のオヤジの顔がある・・・・・